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論文

Criticality safety evaluation of high active liquid waste during the evaporation to dryness process at Tokai Reprocessing Plant

三浦 隆智; 工藤 淳也; 小山 大輔; 大部 智行; 佐本 寛孝

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 10 Pages, 2023/10

東海再処理施設では、1977年から2007年までに、商業用発電炉(BWR,PWR)や新型転換炉ふげん等の使用済燃料を約1,140トン再処理した。廃止措置に移行した2018年から、リスク低減のため施設に保有する高放射性廃液(HALW)のガラス固化処理を最優先に取り組んできている。使用済燃料の再処理に伴い発生したHALWには、核分裂生成物(FP)等に加え、極微量のウランやプルトニウムを含む不溶解性残渣(スラッジ)が存在している。通常時ではHALW中のU, Puの濃度が非常に低いため、HALWが臨界に至ることは考え難い。また、事故時にHALWの冷却機能が喪失し、蒸発乾固に至る過程を考慮した場合においても、中性子吸収効果の高いFPが共存しているため、HALWが臨界に至ることは考え難い。これらを定量的に確認するために、HALWの蒸発によりU, Pu濃度が上昇し、乾固に至るまでの過程における臨界安全評価を実施した。本評価では、HALWを溶液系とスラッジ系、それぞれ無限体系モデルで、U, Pu, FPの存在比を分析データやORIGEN計算結果に基づき保守的に設定し、蒸発乾固に伴う溶液の濃縮による濃度変化に対して、無限増倍率を計算し、臨界未満の状態が維持されることを確認した。また、溶液系,スラッジ系の両系を考慮した2層の無限平板モデルでも、未臨界状態が維持されることを確認した。これにより、東海再処理施設においては、高放射性廃液の蒸発乾固の過程における臨界は想定されないことを確認した。

報告書

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故のソースターム解析手法の整備

吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*

JAEA-Research 2023-001, 26 Pages, 2023/05

JAEA-Research-2023-001.pdf:1.61MB

再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。このためリスク評価の観点からは、Ruの定量的な放出量の評価が重要な課題である。再処理施設のリスク評価の精度向上に資するため、計算プログラムを用いて当該事故時でのソースタームを解析的に評価する手法の整備を進めている。提案する解析手法では、まず廃液貯槽の沸騰をSHAWEDで模擬する。模擬結果の蒸気発生量等を境界条件としてMELCORにより施設内の蒸気等の流れに沿って各区画内の熱流動状態を模擬する。さらに各区画内の熱流動状態を境界条件としてSCHERNを用いてRuを含む硝酸、NO$$_{rm x}$$等の化学挙動を模擬し、施設外への放射性物質の移行量(ソースターム)を求める。本報では、仮想の実規模施設での当該事故を想定して、これら3つの計算プログラム間でのデータの授受を含めて解析事例を示す。

報告書

再処理施設の高レベル廃液貯槽蒸発乾固事故解析のための廃液沸騰模擬計算プログラム; SHAWEDの整備

吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*

JAEA-Research 2022-011, 37 Pages, 2022/12

JAEA-Research-2022-011.pdf:2.88MB

再処理施設の過酷事故の一つとして高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故が想定される。再処理廃液の沸騰段階での放射性物質の気相部への移行のメカニズムは、沸騰によって生成される飛沫のうち比較的小さい粒径の液滴のエアロゾル化と、揮発性化学種の温度上昇に伴う気化である。気相に移行した放射性物質は、沸騰により発生する硝酸-水混合蒸気や硝酸塩の熱分解による脱硝反応で生じるNO$$_{2}$$などとともに貯槽から流出し、施設内を移行し一部は施設外に放出されると想定される。当該事故で生じるこれらの諸事象は、すべて貯槽内の廃液の沸騰を起源とするため、それによって生じるリスクを精度良く評価するには、汎用性のある計算プログラムを用いた貯槽内の熱水力的及び化学的挙動の定量的な模擬が不可欠である。これを目的として再処理廃液の沸騰を模擬する計算プログラム: SHAWED ($$underline{rm S}$$imulation of $$underline{rm H}$$igh-level radio$$underline{rm A}$$ctive $$underline{rm W}$$aste $$underline{rm E}$$vaporation and $$underline{rm D}$$ryness)を開発した。本報では、当該事故のリスク評価に資するために、模擬対象とする事象の特徴をもとに沸騰及びそれに伴う諸事象の模擬に必要な主要な解析モデルを説明するとともに、具体的な模擬事例を示す。

論文

再処理施設における高レベル濃縮廃液の蒸発乾固時の事象進展の整理

山口 晃範*; 横塚 宗之*; 古田 昌代*; 久保田 和雄*; 藤根 幸雄*; 森 憲治*; 吉田 尚生; 天野 祐希; 阿部 仁

日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 21(4), p.173 - 182, 2022/09

確率論的リスク評価(PRA)から得られるリスク情報は、原子力施設におけるシビアアクシデント対策の有効性を評価するために有用である。再処理施設に対するPRA手法は原子力発電所のそれと比べて未成熟と考えられ、本手法を成熟させるためには事故シナリオの不確実性を低減することが重要となる。本論文では、再処理施設におけるシビアアクシデントである高レベル廃液の沸騰による蒸発乾固への事象進展と、それに伴う放射性物質の移動挙動に関する文献調査の結果をまとめた。Ruの重要な特徴の一つは、事象進展の過程で揮発性化合物を形成することであり、本稿ではその移動挙動を温度に基づいて4段階に分類した。高温まで至った乾固物からはRuは放出されない一方、Csのような他の揮発性元素が放出される可能性がある。実験データは未だに不十分な状態であり、放射性物質の移行挙動の温度依存性を明らかにすることが求められる。

報告書

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故での凝縮器を想定した事故対処策のリスク低減効果に係る実機解析

吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*

JAEA-Research 2021-013, 20 Pages, 2022/01

JAEA-Research-2021-013.pdf:2.35MB

再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。そのための事故対処策の一つとして貯槽から発生する混合蒸気を積極的に凝縮する凝縮器の設置案が示されている。この事故対策では、硝酸蒸気の拡散防止、Ruの除去率の向上などが期待できる。本報では、実規模の仮想的な再処理施設を対象に凝縮器を設けて施設内での蒸気及びRuの移行挙動の模擬を試行した。模擬解析では、MELCORを用いて施設内の熱流動解析を行い、得られた熱流動状態を境界条件として硝酸、窒素酸化物等の化学挙動を解析するSCHERNコードを用いてRuの定量的な移行挙動を模擬した。解析から、凝縮器による蒸気拡散防止及びRuの除去効率の向上効果を定量的に分析するとともに、凝縮器の解析モデル上の課題を明らかにすることができた。

報告書

再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故でのNO$$_{rm x}$$の化学挙動を考慮したRuの移行挙動解析

吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*

JAEA-Research 2021-005, 25 Pages, 2021/08

JAEA-Research-2021-005.pdf:2.91MB

再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。このためリスク評価の観点からは、Ruの定量的な放出量の評価が重要な課題である。課題解決に向け当該施設での蒸気凝縮を伴う環境でのRuの移行挙動に係る小規模実験のデータ分析の結果から気液界面でのRuの物質移行係数の相関式を導出した。この相関式を用いて実規模の仮想的な再処理施設を対象に施設内でのRuの移行挙動の模擬を試行した。解析では、窒素酸化物の化学挙動を解析するSCHERNコードにこの相関式を組み込み、施設内の熱流動解析で得られた条件を境界条件としてRuの定量的な移行挙動を模擬し、その有効性を確認した。

報告書

SCHERN-V2: 再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故での化学的挙動解析プログラム解説書

吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*

JAEA-Data/Code 2021-008, 35 Pages, 2021/08

JAEA-Data-Code-2021-008.pdf:3.68MB

再処理施設で想定される重大事故の一つに高レベル廃液貯槽の蒸発乾固事故がある。高レベル廃液には、再処理の過程で取り除かれた核分裂生成物の硝酸塩が含まれ、それらの崩壊熱で発熱するため常時冷却する必要がある。このため全電源の喪失などにより冷却機能が全喪失した状態が継続した場合、廃液が沸騰しいずれ乾固する。この間、ルテニウムの揮発性化学種が硝酸-水混合蒸気とともに気相へ移行し、施設外へ放出される可能性がある。乾固時には、廃液に含まれる硝酸塩の熱分解による脱硝反応が進行しNO$$_{rm x}$$ガスが発生する。NO$$_{rm x}$$はルテニウムの施設内での移行挙動に影響することが実験的に確認されており、硝酸及び水が共存する環境では気液各相で複雑に化学変化することが知られている。そこで建屋区画内での熱流動条件を境界条件としてRuを含む各化学種の濃度変化を解析する計算プログラム: SCHERNの開発を進めている。本報は、SCHERN-V2として新たに整備した解析モデルを含め、当該プログラムが解析対象とする事故の概要、解析モデル、連立微分方程式、使い方等を説明する解説書である。

報告書

SCHERN: 再処理施設の高レベル廃液蒸発乾固事故でのNOxの化学的挙動解析プログラム

桧山 美奈*; 玉置 等史; 吉田 一雄

JAEA-Data/Code 2019-006, 17 Pages, 2019/07

JAEA-Data-Code-2019-006.pdf:1.84MB

再処理施設で想定される重大事故の一つに高レベル廃液貯槽の蒸発乾固事故がある。高レベル廃液には、再処理の過程で取り除かれた核分裂生成物の硝酸塩が含まれ、それらの崩壊熱で発熱するため常時冷却する必要がある。このため全電源の喪失などにより冷却機能が全喪失した状態が継続した場合、廃液が沸騰しいずれ乾固する。この間、ルテニウムの揮発性化学種が硝酸-水混合蒸気とともに気相へ移行し、施設外へ放出される可能性がある。乾固時には、廃液に含まれる硝酸塩の熱分解による脱硝反応が進行しNOxガスが発生する。NOxはルテニウムの施設内での移行挙動に大きく影響することが実験的に確認されており、硝酸及び水が共存する環境では気液各相で複雑に化学変化することが知られている。そこで建屋区画内での熱流動条件を境界条件として各化学種の濃度変化を解析する計算プログラムを開発した。

報告書

再処理施設の高レベル廃液の蒸発乾固事故での気体状ルテニウムの凝縮水への移行速度に係る相関式の導出

吉田 一雄; 玉置 等史; 吉田 尚生; 天野 祐希; 阿部 仁

JAEA-Research 2017-015, 18 Pages, 2018/01

JAEA-Research-2017-015.pdf:3.08MB

再処理施設では、重大な事故の一つとして貯槽中の高レベル放射性廃液が沸騰し、乾固に至る事故(蒸発乾固事故)が想定される。廃液の沸騰により硝酸及び水が蒸発することで濃縮が進むと気体状ルテニウム(Ru)が発生し、硝酸-水混合蒸気(以下、混合蒸気という)の凝縮に伴い凝縮液中に移行することが、実験で確認されている。貯槽から流出した混合蒸気は建屋内の構造物壁面で除熱され凝縮する。この際に気体状Ruは凝縮水に移行することが想定され、建屋内でのRuの移行量を定量化する上で、混合蒸気の凝縮過程でのRuの移行の定量的な模擬が重要である。このような観点から、気体状のRuを含む混合蒸気の凝縮に伴い気体状Ruの凝縮水への移行量を測定する実験が実施されている。本報では、この実験で得られたデータを基に、実測不能な実験装置内の蒸気流速等を熱流動解析結果から推定し、気体状Ruの凝縮水への移行速度に係る相関式を導出した結果について述べる。さらに、同相関式を実機規模の事故解析結果に適用し、Ruの凝縮水への移行量の評価を試みた。

報告書

再処理施設の蒸発乾固事故解析での気体状Ruの移行挙動に影響する硝酸-水混合蒸気の凝縮のモデル化

吉田 一雄

JAEA-Research 2016-012, 24 Pages, 2016/08

JAEA-Research-2016-012.pdf:3.04MB

再処理施設では、全交流電源の喪失等により長時間にわたり冷却機能が失われると、貯槽中の高レベル放射性廃液が沸騰し、乾固に至る事故(蒸発乾固事故)が、重大事故の一つとして想定される。廃液の沸騰により硝酸及び水が蒸発することで濃縮が進み、廃液温度が120$$^{circ}$$C以上になる沸騰晩期から乾固段階において気体状Ruが発生し、硝酸-水混合蒸気の凝縮に伴い凝縮液中に移行することが、実廃液及び模擬廃液を用いた実験で確認されている。貯槽から流出した硝酸-水混合蒸気は建屋内の構造物壁面で除熱され凝縮する。この際に気体状Ruは凝縮水に移行することが想定され、建屋内でのRuの移行量を定量化する上で、硝酸-水混合蒸気の凝縮過程の模擬が重要である。本報では、硝酸水溶液の気液平衡を決定する活量係数を定式化し、気液平衡状態での硝酸及び水の混合蒸気の凝縮過程を定量的に記述するための解析モデルを提案した。併せて解析に必要な硝酸水溶液の気液平衡に係る物性値を整理した。さらに模擬廃液を用いた実験の模擬を通して提案した解析モデルの実用への見通しを得た。

報告書

重大事故対処策を考慮した再処理施設の蒸発乾固事故解析

吉田 一雄

JAEA-Research 2016-004, 15 Pages, 2016/06

JAEA-Research-2016-004.pdf:2.22MB

再処理施設では、長時間の全交流電源の喪失等により冷却機能が失われると、放射性廃液を内包する貯槽中の廃液が沸騰し、蒸発により乾固に至る事故(蒸発乾固事故)が、重大事故の一つとして想定される。この事故では、放射性物質は沸騰により発生する蒸気等に搬送され施設外へ移行すると考えられ、事故の影響を緩和する重大事故対処策として、廃液貯槽に水を注水し、乾固に至るのを防止するとともに、発生した蒸気を仮設配管で建屋内の大空間へ誘導し蒸気を凝縮させる対策が考えられている。本報では、仮想的な再処理施設を対象に重大事故対処策を考慮した事故シナリオを想定し、貯槽を含めた施設内で水蒸気等の熱流動およびエアロゾルの挙動を計算コードを用いて解析し、事故対処策が放射性物質の施設外への移行軽減に及ぼす効果について考察した。

論文

再処理施設の蒸発乾固事故での放射性物質の移行挙動解析

吉田 一雄; 石川 淳; 阿部 仁

日本原子力学会和文論文誌, 14(4), p.213 - 226, 2015/12

再処理施設でのシビアアクシデントの一つとして、冷却機能喪失により高レベル廃液が沸騰し蒸発乾固する事故が想定される。この事故では、不揮発性の核分裂生成物の一部が飛沫として気相部に移行し、蒸気に同伴して環境中に放出される可能性がある。そのため、その放出量評価が事故影響評価の重要な課題の一つである。これを解決するために、当該事故で想定される種々の現象に基づく解析モデルを含む計算コードを用いた解析手法を整備した。この計コードを用いて実験解析等を実施し、解析モデルの有効性を示した。

論文

Experimental investigation of lead-bismuth evaporation behavior

大野 修司*; 宮原 信哉*; 倉田 有司

Journal of Nuclear Science and Technology, 42(7), p.593 - 599, 2005/07

鉛ビスマス共晶合金(LBE)の蒸発について基礎的な知識を得るため、LBEの平衡蒸発実験を行った。実験には、等温蒸発容器中に飽和させた蒸気を不活性のキャリアーガスによって移行させ、容器の外で捕集するトランスパイレーション法を用いた。実験温度範囲は450$$^{circ}$$Cから750$$^{circ}$$Cであった。LBEの飽和蒸気圧,LBEで飽和したガス中のPb, Bi, Bi$$_{2}$$の蒸気濃度,LBE中の鉛の活量係数及びLBE蒸発速度に関する実験データを取得した。550$$^{circ}$$Cから750$$^{circ}$$Cの温度範囲で、LBE蒸気圧の評価式を得た。

論文

Evidence of complete fusion in the sub-barrier $$^{16}$$O+$$^{238}$$U reaction

西尾 勝久; 池添 博; 永目 諭一郎; 浅井 雅人; 塚田 和明; 光岡 真一; 鶴田 薫; 佐藤 健一郎; Lin, C. J.; 大澤 孝明*

Physical Review Letters, 93(16), p.162701_1 - 162701_4, 2004/10

 被引用回数:81 パーセンタイル:89.97(Physics, Multidisciplinary)

$$^{16}$$O+$$^{238}$$Uといったアクチニド標的を用いた重イオン融合反応の核分裂片角度分布の測定によれば、サブバリヤエネルギー領域における角度分布の異方性は、従来のサドル点モデルより異常に大きな値を示すことがわかっている。これを解釈するため、サブバリヤ領域では完全融合が起きないとするモデルが提案された。$$^{238}$$Uはレモン型に変形しており、サブバリヤエネルギーは$$^{16}$$Oが$$^{238}$$Uの先端部とだけ反応する。このことから、Hindeらは先端衝突では完全融合が起こらず、すべてquasi-fissionとして壊れると主張した。しかし、完全融合がおこるか否かは、蒸発残留核断面積を測定して初めて検証できる。本研究では、タンデム加速器から供給される$$^{16}$$Oビームを利用して$$^{16}$$O+$$^{238}$$Uの蒸発残留核断面積を測定した。この結果、先端部衝突でも完全融合が起こっており、Hindeらの主張と異なる結果を得た。

論文

Structure evolution and corresponding electrical properties in weakly bound Co-C60 mixture

境 誠司; 楢本 洋; Xu, Y.; Priyanto, T. H.; Lavrentiev, V.; 鳴海 一雅

Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.788, p.L11.49.1 - L11.49.6, 2004/00

真空同時蒸着法によりCoとC$$_{60}$$の混合物質薄膜を作製して、Co濃度の関数として微視的構造変化と電気的特性を評価した。Coも濃度としては、CoxC$$_{60}$$ (x: C$$_{60}$$分子当のコバルト原子数)の形で、x=0.5-700の範囲で制御した。混合による薄膜の体積膨張とC$$_{60}$$分子振動のラマンモードの低波数側へのシフト量をCo濃度を制御して評価することにより、混合物質の構成要素としては、C$$_{60}$$にCo原子が配位したC$$_{60}$$よりなる基相と析出したCo超粒子であることを示した。さらに詳細な解析から、C$$_{60}$$基相中ではCo原子からC$$_{60}$$に1個の電子供与が生じ、x=4でこの現象は飽和することを見いだした。また混合物質の電気伝導特性は、Co濃度に依存した、異なった伝導特性を示した。すなわち低濃度から順に、x$$leq$$4では、C$$_{60}$$基相に由来すると考えられる半導体的温度依存性を示すこと、4$$<$$x$$<$$60では孤立Co粒子が関与するバリアブルレンジホッピング機構が支配的であること、さらにx$$geq$$60の高濃度では、Co粒子間にパーコレーション経路が形成されることによる金属伝導機構が作用していることなどを明らかにした。

論文

Experimental investigation of evaporation behavior for lead-bismuth eutectic and its impurity tellurium

大野 修司*; 宮原 信哉*; 倉田 有司

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-12) (CD-ROM), 6 Pages, 2004/00

加速器駆動核変換システムのターゲット及び冷却材に関する基礎データを得るため、液体鉛ビスマス共晶(LBE)からの鉛,ビスマス,テルルの蒸発挙動を調べた。テルルは鉛ビスマスを用いるとき安全評価上問題となるポロニウムの模擬物質として使用した。実験では等温の蒸発容器上に一定量のキャリアーガスを流し、蒸気を飽和させるトランスパイレーション法を使用した。450$$^{circ}$$Cから750$$^{circ}$$Cの温度で、LBEからの鉛及びビスマスの蒸気圧が得られた。蒸気中のビスマスと鉛の比は約3であった。LBEへのテルルの添加により、ガス相中の鉛の量が増加し、LBE中ではテルルはPbTeとして存在することが示唆された。

論文

Study on the stability of AmN and (Am,Zr)N

高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 湊 和生; 沼田 正美

Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.2285 - 2291, 2003/00

マイナーアクチノイドの核変換用窒化物燃料に関して、その成分となるAmN及び不活性母材との固溶体(Am,Zr)Nの安定性を室温での加水分解挙動と高温での蒸発挙動について実験的に調べた。空気中に放置したAmNは水分と急速に反応して水酸化物Am(OH)$$_{3}$$と思われる化合物になったが、(Am$$_{0.1}$$Zr$$_{0.9}$$)Nでは、1000時間の観察中に加水分解による重量増加は認められなかった。Dyモル分率をパラメータにした(Dy,Zr)Nによる実験では、固溶体の水分に対する安定性はDyのモル分率に大きく依存することがわかった。(Dy,Zr)Nの乾燥空気中での熱重量分析による高温酸化に関する実験では、700K以上で急激な酸化が起こり、Dyモル分率への依存性はほとんど見られなかった。高温でのHe中における蒸発挙動では、1623から1733Kの範囲でAmNの蒸発速度定数を得た。(Am$$_{0.1}$$Zr$$_{0.9}$$)N中のAmNの蒸発速度定数はAmNのそれに比べて小さかったが、AmNの選択的な蒸発が起こり固溶体の組成が変化することがわかった。窒素雰囲気中におけるAmNの蒸発との比較から、焼結などの高温加熱を行う場合には蒸発による損失を抑えるために、窒素雰囲気を用いる必要があることがわかった。

論文

A One-dimensional dynamical soil-atmosphere tritiated water transport model

山澤 弘実

Environmental Modelling & Software, 16(8), p.739 - 751, 2001/12

不飽和土壌中での熱、水及びトリチウム水の輸送と大気との交換を評価対象とする1次元数値モデルを開発した。このモデルは土壌温度、含水率、土壌空気の比湿、土壌水中のHTO濃度及び土壌空気中のHTO濃度に関する5個の予報方程式から構成される。このモデルを用いて、土壌中HTO輸送及び大気の交換に対して気象・水文条件がどのように影響するのかについて数値実験を行った。その結果、降水と土壌の水分特性が最も重要であり、その他の気象条件も緩速の二とおりの影響を示すことがわかった。また、時間平均した気象・水分条件を用いると、HTOの輸送料及び大気への蒸発量を過小評価することが示された。

報告書

The GEM code: A simulation program for the evaporation and the fission process of an excited nucleus

降旗 志おり*; 仁井田 浩二*; 明午 伸一郎; 池田 裕二郎; 前川 藤夫

JAERI-Data/Code 2001-015, 90 Pages, 2001/03

JAERI-Data-Code-2001-015.pdf:3.75MB

GEMコードは励起原子核の脱励起を記述するシミュレーションプログラムである。このコードはGE(Generalized Evaporation Model)とAtchisonの核分裂モデルから成り立つ。Bertiniの核内カスケードモデルとGEMとを組み合わせた計算モデルにより、陽子入射におけるBeのような軽いフラグメント生成断面積を精度良く予測できることが示された。また、Atchisonモデルに使用されているパラメータを再評価することにより、Auに陽子を入射する場合に生成する核分裂片の断面積を改善することが示された。本レポートでは、GEMコードの詳細と使用方法について記述し、Bertini核内カスケードモデルとGEMコードを組み合わせた計算(INC/GEM)によるベンチマーク計算の結果を示す。さまざまなターゲットに陽子を照射した場合における中性子スペクトル及び同位体生成断面積をINC/GEMを用いて計算した。これらの計算結果を実験値と比較するとともに、LAHETによる計算結果との比較も行った。その結果INC/GEMによる計算は、AlとPuの中性子放出の二重微分断面積の実験値を再現することがわかった。Agから生成される同位体はOより重いフラグメントの生成が過小評価されるものの、He,Li,Beの生成については50%以内で実験と良い一致を示すことがわかった。また、LiやBe等の軽核の生成断面積、特に重いターゲット核においてLAHETによる計算結果より良い一致を示すことがわかった。さらに、INC/GEMによる計算はLAHETによる計算よりも核分裂片生成断面積の予測精度が良いことが示された。

論文

Deposition of HTO to water surface during a chronic HT release experiment

野口 宏; 福谷 哲*; 横山 須美; 木内 伸幸

KURRI-KR-61, p.18 - 25, 2000/00

1994年のカナダにおけるHT野外連続放出実験において小容器内に入れた水への空気中HTOの沈着挙動を調べた。空気及び水中HTO濃度と蒸発速度の観測値から、空気-水間のHTO交換速度を求めた。また、交換速度は日変動があること、その平均値は室内で測定された交換速度の約3倍であることなどを明らかにした。交換速度の変動に影響する気象因子を解析したところ、風速が大きく影響することがわかったが、温度については明確ではなかった。このため室内実験を行い、これらの因子の影響を調べた結果、温度も影響することを確認した。これらの結果から、空気中HTOの環境モニタリングに対する水サンプラの適用性についての基礎資料が得られた。

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